パレード

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「きたんのないいけん」

先日、高校生に対して「忌憚のない意見をください」と言ったら「・・・汚い!?」なんていう子もいてこりゃ通じなさそうだったので、「こう言ったら相手に対して悪いかなっていう気持ちを抜きにして思うところをってことです」と言いなおしてそしたら子どもらから「要するに本音ってことですか」って言われてそうだそうですよと解決した件がありました。

 

これに対して最近の高校生は語彙力がなくてっていうのは簡単だけれども、じゃあじぶんはどうだったのかと記憶を掘り返すと、「忌憚のない」っていう言葉は小説やらものがたりの中の文脈ではあまり出てこない。結局なんらかの会(学会だとかPTAだとか)に出席しないと出会わない言葉かなーと思いました。自分の母に聞くと(高卒、農業)「忌憚をはじめてしったのはあんたらのPTA」って言うし。

 

で、初めて出会った言葉に対してどういうリアクションをとるのか。母はそこで「きたん?わかんね調べよう」と思って要するに本音ってことね、と理解したそうだ。そうじゃない人にとっては「きたん?よくわからん、じゃあ意見イワネ」ってことになって、結局「忌憚」の意味をわかる人だけが「忌憚のない意見」を言うことができる構造になっている。まー何も考えずとも常日頃「忌憚のない意見」を言うことができる人もいるのだろうけど。

今の自分の立場だとしょっちゅう言うわけです。「きたんのないいけんを~」って。でもそれってやっぱり万人に通じないことを再認識した。それを通じない人を馬鹿にするのは簡単だけれどもでもじゃあ「きたんのないいけん」を言える人を狭めてじゃあ何が幸せになるのかってばどうにもならないんじゃないのかなあ。だって全員で今だからなあ。などなど。