好きも嫌いもうまく伝えることはむずかしい
好きなものを大きな声で好きっていうのを見るのはとても楽しいし、新しい世界を見ることができるので自分の視野も広がるので有益だと感じるのですが、嫌いなものをねちねちと嫌いな理由を突き詰めているものも大好き。自分がそういうの書くのかっていうと、書かないのだけれど。
書かない理由は何の気なしに書いたもので誰も見ていないだろうっていうところでも必ずこちらの非があれば攻撃してくる人がいるからってのを学んだからです。
初めてそれに出会ったのははてなダイアリーで、伊藤たかみさん著の「ぎぶそん」に関してのとっても面白くないひどい本だっていう話。今思うと生産性のないことに愕然とする記事です。何か言いたくなるのもしょうがない。
http://d.hatena.ne.jp/mifasorashido/20101122/1290408227
しかし当時、誰も読んでないだろうっていう状況なのにもかかわらず、すぐさま誰かがやってきてコメント欄に
「坪田賞もとってる名作ですよね。
単に年取っただけじゃないですか?
やっちゃったなー、なんて中年が使うのも痛々しいです。」
なんて書かれました。
「ほっといてやればw
BB決定だろうし。」
ってつかさず次のコメントも入りました。BBとは?と検索までしちまいましたよ。なんなのだBB。ヤフーか。
当時は本当に傷つきましてね。結局この作家さんの大ファンなんだろうなあだとしたらこういうファンがいる作家さんはご遠慮したいなあと以後この方の本は読んでいません。もったいないのかしら。しかし人生は短いからね。
その後、はてなハイクでいろいろ好きなことを書いているときに、スターコメントという、お互いスターを付け合った間柄でなければ見ることができないっていう特殊な場所において
「お前がスターをつけたから見たくもないサルの写真を見ることになったじゃないかうへえどうせ生徒にもそうやって見たくもない写真見せているんでしょ」
というコメントをもらいました。これもとーっても落ち込みました。サルの写真見ただけでこんなコメントを残すっていう人がいるのにも驚いた。何か写真を見てそれだけで腹が立ったことって自分にはなかったので。
その後こういうのもうめんどくさいなあってことごとく発言は気をつけていたところしかしながら同じことが最近も起こりました。
同じくはてなハイクで「怒られそうなことを敢えて言う」っていうスレッドがあるのですが、ここでも「絵描いてるやつ、全員左側見てるんじゃねーよ」っていうじぶんの発言(まあこの発言もどうかと思いますがだって怒られそうってこちとら思っているけれど敢えて言っているところなんでねえ)への反論があってとっても落ち込みました。しかも相手はその発言をすぐさま削除しました。怒られそうだから敢えて言うんだからそれに反論しないでっていう大前提があるだろーに。
なんで落ち込んだのか、自分の気持ちを整理しますと、つまりスターコメントについては万人に見られる場所じゃないところで反論され、そして削除するコメントは削除されたところにものすごく納得がいかなかったのです。しかし相手はたぶん何も思っていないのです。呼吸するように適当に自分の思うことを言うだけいうのがふつうで、自分の痛みには敏感かもしれないけれど相手のそれには何も思わない、そういう自分を変えることもできない、だから反省もしない。じゃあそれに傷つけられたっていちいち傷ついている自分も馬鹿みたいっていうことです。
なんだ、振り返るとそんなにひどいことに出会ってないです。でもこちとら細心の注意を払っているつもり、なのにこんな感じ。まあこんなもんだよねえ。どこかに石を投げているのだから誰かの致命傷になっているのかもしれない。河童とかネッシーとか。お皿を割っているのかもしれない。
でもまあめんどくさいのでそういう人は呼び込むようなことははてなダイアリーでは書かないし、はてなハイクでも書かないようにしています。最後の件はそういうの意識した上でも来たものなんで結構驚いていますがどうしたって突発的な事故は起こる。来るのです。日常生活に際してもいるでしょう。あいたくもないけれど、いる、そういう感じの人。家でお茶を飲んでいてもトラックが突っ込んでくることだってあるのだろうから、しょうがない。だからって要塞に住むわけにもいかない。
本当は、わたしは、誰かのことを声高に嫌いだとか、ここがあなた変だよって言っていたりするものが大好きです。これが大嫌いだって大声で言いたい。ツイッターだといってる。でもそれが不快感を与えているだろうなあ申し訳ないなあと感じるので、もうやめる。
全員が全員、好きなものを好きというだけのブログならばなんて面白みも何もないと思う。山を高いというために谷を掘るのは馬鹿みたいと思うけれど、谷を掘っている作業は好きです。好きなブログを告白するのが11月なら、嫌いなのを叫ぶのが12月だよっていう。叫ぶ60度、南極圏みたい。言おうぜ。嫌いなやつらを12月年忘れだよ。
わたしは悪口が好きです。わたしは陰口が好きです。わたしは救いのない話が好きです。わたしは嫉妬が好きです。わたしは情けないことが大好きです。わたしは葛藤が好きです。わたしは書かないけれど。わたしは見せないけれど自分ができないし見せたくないからこそ、他人のそういうのみたいです。あなたの嫌いなものをたくさん見せてほしい。そこで足掻いている人を見たい。高みから見たい。
そういう話をつむぐ人たちが大好き。ありがとうございます。