現存していて乗ることができる。
よかった。
函館の市電「十字街」が最寄り駅な函館市地域交流まちづくりセンターには東北以北で日本で現存する最古のエレベーターがあるというので乗りに行ったんですが5月6日のGWのまっただなかで混んでるんだろうなって思ってたら建物の入るなりまちづくりセンターの受付のみなさんに一斉に見られる感覚で(わかるかな)「今日は何をしに…?」「…エレベーターがあると聞いたんで」「わかりました!!!」とかぶせぎみで案内してくださいました。
「どうしてここを知ったの」
「雑誌に書いていて(本当)」
「うそだあ書いていたとしてもとてもちっちゃくだあ」
「いやそれなりに大きめに(本当)」
「だとしても来るのはあんたみたいな人だけだよ観光地にならないの」
(そうなのか)
「ゆっくり上昇するとか、ゆっくり止まるとかないの」
「これ、ブレーキしかないの」
「なのでこんな中途半端なとこでも止まっちゃうの」
「で、タイミングで止める。だから昔はエレベーターガールがいたの」
「どうして函館にこんなエレベーターがあったのか」
最上階で外に出させてもらう。
「その写真みて。すごい船でしょう」
「函館はね東北の一大都市だったの。鎖国が終わって世界中の船が立ち寄る栄えた港だったの」
「船乗りが陸に上がってお金をつかうでしょう。そしたら女の人が接待する。で呉服屋が儲かる」
「で函館の大火が起きたの」
「呉服屋さんがつくったこの建物も鉄筋だったんだけど内部は木造だから全部燃えちゃう」
「で全部金属でできているエレベーターを作ろうと会社ごと呼び寄せたの」
「同じようなので動いているのが東京の日本橋にもある」
「そしてこれみて」
「このベルトが階数表示のと連動しているの。からくり時計みたいな構造なの」
「函館は火事が起こりやすいの」
「そんな中でも少しでも焼け落ちないようにって大理石を張ったりとかね」
「そうそう、上だけ洋風な建物を見た?」
こういうのかな
「あれはね、海から見ると洋風のハイカラな建物がいっぱいある都会!って見える」
「で、上陸して、一階の日本風なところで商談したの」
たしかに和洋折衷のすてきなところおおい。このステンドグラスは旧茶屋亭。
抹茶は一杯ずつ立ててくださいます。この日もすごい混んでたらしいけれど閉店ぎりぎりに通りすがったらすんなり入れた。うれしい。
別件で油脂の歴史について調べてて捕鯨の基地としての日本の開国はとても大切なものだったらしいことだとかゴールデンカムイの漫画の中のいろんなエピソードだとかが一気につながっていく音がしてとてもよい体験だった。
「レトロでいいですよねえ」
「レトロっていうか機械が好きなんでしょ」
たしかに。貸し切り状態でわざわざ乗せてもらう形なのであまり混んだら申し訳ないけれどもあの時期でさえこれだったので興味ある方は体験してみてはいかがでしょうか。
これは市電のポイント切り替えのための操車塔。これまた国内最古でこのすぐ近くにある。