パレード

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水素や酸素が溶けているとされる水にそれら分子は何個入っているのか

クレジットカードの明細にこの日このときこれを買うとお得ですよ!ってなチラシが入ってくるんですがその中に「水素水を作りますよー」っていうキットがありましてどの程度の量入れることができるのかしらと思い書いてみます。

気体の溶解度についてはヘンリーの法則と呼ばれる圧力との関係性があります。

(写真は水という点だけ関連性があり、あまり本文とは関係ないです。

もぐらんぴあ まちなか水族館にて撮影。)

 

 

ヘンリーの法則とは
「一定温度で、一定量の液体に溶ける気体の質量(または物質量)は、温度が変わらなければ、液体に接している気体の圧力(混合気体の場合は分圧)に比例する」(数研出版、化学より)

 

つまり、ぎゅーっと押し付けられればいっぱい気体は溶媒に溶けるし、押し付けが弱ければあまり溶けない。
二酸化炭素は比較的水に溶けやすい物質ですが、その水溶液(炭酸水)が大きな圧力でビンやペットボトルに詰められ、ふたを開けた瞬間それが瞬時に大気圧と一定になるため「ぷっしゅーーーー」と音を立てるのは日ごろ見ています。ビールとかでね。

キューバダイビングでの減圧症もこのヘンリーの法則がきいてきます。

 

気体の溶解度は以下です。(化学便覧改訂版3.5より)
値は気体の分圧が1気圧(1.01×105Pa)のとき、1Lの水に溶ける気体の物質量[mol]の1000倍の値です。
酸素(O2)
0℃…2.19
10℃…1.71
20℃…1.39
30℃…1.18
40℃…1.04
50℃…0.94
60℃…0.88
70℃…0.85

 

水素(H2)
0℃…0.975
10℃…0.876
20℃…0.809
30℃…0.765
40℃…0.739
50℃…0.728
60℃…0.729
70℃…0.740
80℃…0.762

 

ヘリウム(He)
0℃…0.421
10℃…0.402
20℃…0.391
30℃…0.388
40℃…0.390
50℃…0.398
60℃…0.410
70℃…0.428

 

二酸化炭素(CO2)
0℃…76.47
10℃…53.23
20℃…38.96
30℃…29.81
40℃…23.71
50℃…19.54
60℃…16.61
70℃…14.51
80℃…13.00

 

アンモニア(NH3)
0℃…20871
10℃…17500
20℃…14226
30℃…11465
40℃…9184
50℃…7324
60℃…5816
70℃…4535
80℃…3641

 

値だけを眺めていますと、分子量と溶解度はなんとなく比例関係かなと思えます。分子量の小さなヘリウムや窒素などが水の温度によって一回低下した値が上昇に転じているところは少しおもしろい。なぜだ。アンモニアは極性があるため、同じ極性物質である水には非常に溶解しやすくヘンリーの法則は適用されません。

 

 

で、ここからが本題で酸素が入っている水だとか水素が入っている水だとかで販売されているものが果たしてどれくらいの量のそれが入っているのかを個数で示していきたい。

 

 

酸素O2、10℃の場合、水1Lへの溶解度は1気圧の場合1

.71×10(-3)mol(※( )内の数字は指数)

です。ペットボトル内で加圧されていようと、ふたを開けた瞬間大気圧と中の圧力は一緒になるので溶けきらない酸素は空気中に逃げてゆくことを考えますと水1L中に最大限含まれる酸素の物質量は

1.71×10(-3)mol  ※( )内の数字は指数

1mol=6.0×10(23)個(※( )内の数字は指数)として水1L中には酸素分子O2は

1.71×10(-3)mol ×6.0×10(23)個/mol   ※( )内の数字は指数

≒1.0×10(21)個

となります。

 

 

では1Lの水分子の数はどうなるか。

水1L=1000g、水H2Oの分子量=18として計算すると

1000g÷18g/mol ×6.0×10(23)個/mol     ※( )内の数字は指数

≒3.3×10(25)個

 

 

水分子H2Oの数:酸素分子O2の数

=3.3×10(25)個:1.0×10(21)個

≒1×10(5):3.0

≒100000:3.0

10万個の水分子H2Oに対して酸素分子O2は3個あるということです。

 

 

同様の計算を水素H2で行います。

水素H2の10℃の水1Lへ溶解する物質量は0.876×10(-3)mol

個数に直しますと

0.876×10(-3)mol ×6.0×10(23)個/mol     ※( )内の数字は指数

≒5.3×10(20)個

 

 

10℃の水1L中における水分子と水素分子の数の比は

水分子H2Oの数:水素分子H2の数

=3.3×10(25)個:5.3×10(20)個

≒1×10(5):1.6

≒100000:1.6

10万個の水分子H2Oに対して水素分子H2は1.6個、酸素の約半分の量しか溶けません。

 

 

上の計算はそれぞれ100%酸素O2もしくはH2が大気圧と同じ圧力で水と接している場合です。

実際のところ空気の圧力のうち酸素O2が占める分圧は1/5ですからせっかく酸素濃度の高いところでぎゅうぎゅうに水に酸素を閉じ込めたところで、ふたを開けてしまえば空気中の酸素O2の分圧の溶解度は比例するので10万個の水に対して3個どころか50万個に3個まで急激に減ります。

 

 

水素H2に関してはだいたい空気中にほとんどない。今ウィキペディアで調べたら水素H2の大気中の割合は0.00005(vol%)とのことなので

水分子H2Oの数:水素分子O2の数

=3.3×10(25)個:5.3×10(20)個×0.00005×10(-2)

≒1.0×10(12):8.0

 

1兆個の水H2O分子に対して8個の水素H2分子が入っている状態になる。

水1L中(3.3×10(25)個)に対しては2.6×10(14)個、260兆個

ほほうこうなると多いような気持ちになったりもします。

 

 

ただ、これが物質量の怖さでしてなあ。

よくあるのがねえ、クレオパトラの飲んだワインの中の水は今目の前のコップの中の水に何個含まれているか問題。

 入ってるのよ計算上は。

ってので今日はここまで。