パレード

旅行と動物と料理と化学らへんを不定期に更新します。

祖父と黒飴と日本対アイルランド

大正生まれの祖父は祖母が亡くなるずっと前から3回も脳卒中を起こし7つも年の違う祖母よりは先に亡くなると誰もが思っていたが祖母は「こやい、こやい」(秋田弁で、つかれた、という意味)といいつつあっという間にすい臓がんで亡くなってしまった。わたしの父母はがんだということを知っていたが祖父母にはそのことを伝えなかった。うちの家系にありがちな、妙に現実主義で相手の気持ちを考えない理屈だけのことをとりあえず伝えなくてはならないという使命感があってか祖父はそろそろ意識がなくなりそうな祖母に葬儀の持ち方や予算などを相談していた。当の本人にである。そうして葬儀の日がやってきて長いお経が唱えられた。

 

祖父は右だったか左だったかとりあえず半身が麻痺していて、それとは別にのどの具合が悪いと1日2袋の黒飴をなめていた。口の中に常に黒飴がある状態だった。歯を磨くときには飴を出し磨き終わったら再びinする。そうしていて食欲がないのでそろそろ死ぬといういう。黒飴はとても消費するので注文して箱で買っていた。

 

お経の間ずっと祖父は泣いていた。涙の多い葬儀だった。

 

葬儀の後、祖父の座っていた場所の下に黒飴のからが3個落ちていた。

それを見て、わたしたちは笑って、泣いた。

 

こういうおかしみをわたしはとても愛しく思う。

そしてとても大切にしたい。

そういうささいなことをたくさん抱えていきたい。

父と一緒にラグビー観てたんだけれど集中したかったらしく途中からイヤホンをつけられてしまった。勝ってほんとうにうれしかった。